katayama lab
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  • 環境心理学に基礎をおき、人と人、ヒトと動物とのコミュニケーションを引き出すデザインの研究を進めてきました。
    人は、祭り観光など、日常と非日常を行き来し、自分自身を世界の広がりの中に位置付けながら生活を送っています。
    また、他者と繋がりたいと思う一方で、時には一人で居たい、他人と距離をおきたいと思うものです。
    私たちのこういった心理や生活空間を理解し、他者との出会いや距離感、コミュニケーションといった関係性の構築を仕掛けとしてデザイン提案しています。

動物園デザインガイドマップ

動物園は、動物と人間の共生を展示コンセプトとし、来訪者に動物に対する共感や生息地に対する想像を促す体験を重視します。近年は、展示施設内に動物の生息環境を可能な限り再現し、来訪者の動物世界への没入感を引き出すデザインが発展してきました。札幌市円山動物園の展示計画のために作成した動物園デザインガイドブックを公開します。→こちら

五感で受け取る地域情報〜今までなかった!新しいお弁当開発

全国各地の観光情報が雑誌やインターネット、TVコマーシャル、電車の広告など様々な形で発信されていますが、私たちの目や耳にはいささか情報がオーバーフロー状態です。そこで開発したのが、食べて美味しい、見て美しい、地域のサウンドスケープ音も聞ける新しいランチボックス。購入者の食事時間を利用し、その時間だけその場所に行った気持ちになってもらうためのお弁当です。デパート地下食品売り場の惣菜店で150食をテスト販売しました。▶︎『地域情報発信ツールとしてのお弁当デザイン, 人工知能学会全国大会論文集 JSAI2017(0), 2017』

まちの魅力を発見する手描きマップ

住んでいる人にとってはありきたりの街。ちょっと見ではつまらなさそうな街。外者だからこそ、「そこにあるもの」の発見と価値化の視点を持つことができます。それをビジュアル化することで週末行って見たくなるまちあるきマップが出来上がります。

オープンスペースの不思議な家具

交流したい/したくないの微妙な心理に配慮した、ユーザー自身が自由にしつらえることのできる家具を提案しました。

▶︎『オープンスペースでのククーニングに注目したひとり空間の分析−パーソナルスペースをしつらえる家具の提案に向けて,日本建築学会技術報告集 24(56), 323-328, 2018』

認知症高齢者のナラティブを引き出す「記憶の玉手箱」

多くの家庭や介護施設で認知症高齢者とのスムーズなコミュニケーションが模索されています。修士課程の授業で学生達がこんなアイディアを思いつきました。利用者さんの思い出の品物を入れる「思い出ボックス」によって介護職員が利用者のナラティブを引き出す仕掛けです。▶︎『白ゆり美術館プロジェクト〜“見たことがあるを発見する”作品の制作,  感性フォーラム札幌2016』

歳を重ねた大人はカッコいい!〜ジェネコレファッションショー

核家族化が進む今日、世代間交流は難しい問題です。札幌市立大学のデザイン学部と看護学部が協力し、地域の高齢者と学生達が共に楽しめるファッションショーを企画しました。箪笥の肥やしになっている古着を高齢者の方々に持ち寄って頂き、それにまつわる人生のエピソードをインタビューします。お借りした古着と自分達の服装品とを組み合わせたコーディネートを、翌朝早く集まった高齢者に着てもらいメークもほどこします。インタビューした人生エピソードをMCが話す会場でファッションショーを開催しました。▶︎『古着とライフレビューを用いた「思い出ファッションショー」による世代間交流, 世代間交流学会第4回全国大会抄録,p2 , 2013』→ジェネコレファッションショー

発想を支援する建築模型キッドの開発

建築設計をする際の立体思考の難しさ、模型政策の煩わしさを解決するための新しいツールを提案しました。磁石を用いて簡単に部材同士を接合することで、建築のアイディアを引き出す模型材料としました。▶︎立体的なスケッチ感覚を重視した建築スタディツールの提案, 日本建築学会学術講演梗概集, pp.31-32, 2012

動物とヒトのコミュニケーションを引き出す動物園展示デザイン

動物園は単に珍しい動物を展示しているだけではありません。観察を通してヒトとしての自分や生息地の動物に思いを馳せる場所でもあります。また、展示動物はヒトに見られるばかりの存在ではありません。彼らもヒトを観察しています。札幌市円山動物園の「エゾヒグマ館」では、目線の高さや観察窓の配置や大きさの操作で、見るー見られる関係を考慮したデザインを提案しました。▶︎高揚感と共感を生み出す動物園デザインの仕掛け(特集「仕掛学」), 人工知能学会誌 28(4),pp.627-632, 2013

ドキドキワクワクを演出する経路デザインの研究

動物園の動物達は、私たち人間の興味や学びのために野生から引き離され都市に連れてこられました。それなら私たちの学びをより効果的にしよう!と考えたのが、動物に会った時の感動を高め、最大限に興味を持たせようとするアイディアです。動物に出会うまでの高揚感を上昇させる経路デザインのあり方を実験的に明らかにしました。そのキモは、先を見せないで期待させながら、あるところで動物や生息地を想像させる物を配置し、「期待ー想像」をループ化して経路を構成することにありました。▶︎『動物園における歩行移動時の高揚感に影響を及ぼす経路のデザイン,デザイン学研究58(4), pp.105-112, 2011』

現代版水琴窟〜植物に水やりしたくなる仕掛け

観葉植物に水やりをしてしばらく経つと、あら不思議。「ピチョ〜ん」「ぽか〜ん」「シャラシャラ〜」という音が部屋に染み渡ります。卒業研究で開発した現代版水琴窟です。(河内悠紀乃、2013)

積雪寒冷地だからこそ、温泉で高齢者のためのまちづくり

積雪寒冷地の過疎地域に住む高齢者は冬季になると極端に外出頻度が低下する傾向にあります。北海道のある市では、地域の温泉施設に送迎付きで高齢者を毎週招いています。皆で弁当を食べ、風呂に入り、健康チェックをし、帰りのバスは本人の降りたい場所でドロップオフしてくれます。▶︎積雪寒冷の過疎地域における温泉施設を活用した高齢者サービスの事例調査,日本建築学会技術報告集 15(30), pp. 511-514, 2009