katayama lab
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  • 我が国の地域福祉は、支援を必要とする人々の増加やにニーズの多様化から、行政や専門家だけでその役割を果たせなくなってきました。地域住民が、身の回りに支援を必要とする人々がいる事を知り、彼らのニーズを知り、自分自身や家族にもいざという時があることを知り、互いに支えあえる地域社会を創造していくことが求められています。『福祉 × デザイン』という新しい視点で、滅私奉公的な支援関係ではない、誰もが楽しめる共生型のコミュニティを研究しています。

連載「幸せの仕掛け学」
「自らが楽しむ」福祉のまちづくりについて、国内外の事例を紹介しました。
▶︎『週間介護新聞2019年6月〜2020年1月, 北海道医療新聞社

若いママ達が「こんなまちが欲しい!」を実現する

乳飲み子を抱えた若いお母さんたちのグループ「札幌藤野多世代交流ラボWAO!」がまちづくり活動を始めました。藤野地域で生まれ育った代表の飯田くるみさんが、小さい頃のように町内会主催のキャンプや近所のおじさんやおばさんに遊んでもらった地域を、自分の子供達のために取り戻したいとの思いで本研究室のドアを叩いたことから活動がはじまりました。今は月一度の子ども食堂開催や、高齢者のサロンにお邪魔して地域の多世代交流の場を開拓しています。札幌藤野多世代交流ラボWAO!ホームページ

札幌人図鑑に出演しました

「風のごはんや」について語っております。札幌人図鑑第1559回

人はなぜ「地域食堂」に集まるのか?〜タイ編
20年前にタイに留学していた時の研究テーマも「共に食べる」ことでした。貧しい東北部の人々が出稼ぎや移住者として露店を開き、有名レストランをしのぐ評判の店もあります。リムジンで乗り付ける会社社長や軍人、スーツ姿のサラリーマン、大学病院前では聴診器を下げたお医者さんの姿を見ることも。ある街角の露店に子供の頃から30年も通い続けている人もいました。R. オルデンバーグの「サードプレイス」だと思った私は、「タイ人のサードプレイスとしての露店」を研究テーマにインタビューを開始しました。結果は仮説を覆す、"Not" サードプレイス、、、。階級社会のタイでは、上記の人々は貧困層の露店主とはほとんど個人的な話をしていませんでした 。日本の居酒屋文化を想像ていたその頃の私は、人が集まって美味しい料理を共に食べる行為だけではソーシャルキャピタルは醸成されないことを理解しました。

月曜日は多世代交流

寿都町高齢者地域密着サービス施設「ふれあ〜じゅ」の共生スペースを活用して始まった「風のごはんや」。当初は高齢者による高齢者のための地域食堂をコンセプトとして企画していましたが、開店してあらびっくり。0歳から80歳代までまんべんなくお客さんが集まる多世代交流の場所となりました。詳しくは論文をご覧ください。▶︎『コミュニティ・レストランにおけるソーシャル・キャピタルの醸成−寿都町「風のごはんや」の設置企画と評価,デザイン学研究 65(3), 2019』

多世代が交流してしまう「お花見ツリーハウス」

平取町のグループホームの敷地に、利用者のお年寄りが花見ができ、近所の子ども達がボルダリングできる「お花見ツリーハウス」を制作しました。修士課程の授業でデザイン研究科と看護研究科の学生が授業の成果として提案した多世代交流の仕掛けです。(協力:株式会社グローリアホーム)

こんな子ども食堂が欲しかった!

『札幌藤野多世代交流ラボWAO!』と、月1回の子ども食堂を始めました。

¥100の夕食と工作ワークショップで、共に食べ楽しい時間を過ごすことを通して、子ども達が家の外にも自分たちの居場所を確保できることを目指しています。札幌藤野多世代交流ラボWAO!ホームページ





シニア層が活躍する地域づくりの報告書ができました

北海道市町村振興協会主催の調査団が2年を費やして道内外を調査した分厚い報告集です。道内14箇所、道外8箇所の様々な取り組みについて、主に行政がシニア層の活動をどのように引き出すか、組織立てしていくかに注目してまとめたものです。

▶︎『パネルディスカッション-シニア層が活躍する地域づくり, 市町村職員研修会-シニア層の社会参加と地域づくり政策, プラクティス  : 自治体職員のための政策情報誌 (26), pp. 55-57, 2018』




コミュニティデザインの「いろは」を学ぶ、ワンデイ学生食堂

札幌市立大学デザイン学部 人間空間デザインコースの授業では、学生達の企画力と実践力を養うため、企画→広報→食堂オープン→効果検証、までを課題としています。





世代間交流の理論と実践に関する教科書ができました

白梅学園大学の草野篤子先生など、世代間交流学会の先生方との共著本が出版されました

▶︎『人を結び、未来を拓く世代間交流−世代間交流の理論と実践1(分担執筆), 三学出版, pp.25-40, 2015』




昭和の路地裏大作戦〜ある幼老複合施設の温故知新の取り組み

昭和の路地裏を再生した、ある福祉施設の取り組みを論文にまとめました。児童館とデイサービス、特別養護老人ホームが施設内にあり、子どもも高齢者も自由に互いの部屋を行き来するだけでなく、1階中央に位置するサロンでは、けん玉や竹馬、一輪車などの昔遊びができます。興味や体力の異なる児童と高齢者のこのような交流がなぜ可能なのか、ハードとソフトの仕掛けを明らかにしました。

▶︎『世代間交流拠点としての幼老複合施設の可能性と施設運営のあり方, 社会福祉法人健光苑による昭和の路地裏作戦を事例として, 日本建築学会計画系論文集79(705), pp.2395-2403, 2013』

保護猫・犬と飼い主を出会わせる動物愛護センターの提案

動物愛護法が改正され、全国で犬猫の保護や譲渡、ボランティア活動を促進するための施設がつくられています。札幌市動物管理センターの依頼で札幌市動物愛護センター(仮)の施設デザインのあり方を提案しました。今までの動物愛護活動は行政や保護団体などの専門家が主な役割を果たしていました。今後は、社会が抱えているペット動物の問題認識や動物の譲渡活動が広がっていく必要があります。その施設とは、動物に関心のない市民も立ち寄る魅力的な場所があり、安全に動物の姿を目にする機会をつくることが大切です。▶︎『動物福祉に配慮した動物愛護管理施設のハードとソフトのデザインに関する研究〜札幌市動物愛護センターのあり方検討(札幌市、2015)

動物が元気になった!来園者がワクワクする動物園展示施設の改修

札幌市円山動物園の類人猿館に住むオスの弟次郎(当時9歳)はコンクリートに囲まれた古い施設でつまらなさそうに毎日を送っていました。それを見るお客さんもつまらなさそう。お嫁さんをもらうための施設改修を飼育員と手がけました。コンクリートの堀を土で埋め、100種類以上の植栽を施した新しい施設で様々なオランウータンらしい行動を見せるようになりました。施設改修前後の弟次郎とお客さんの行動変化について論文にしました。▶︎生体と観覧者の行動に基づく動物飼育展示施設のデザイン評価--札幌市円山動物園 類人猿館改修デザインを事例として, 日本建築学会計画系論文集 75(651), pp.1043-1052, 2010』

人はなぜ「地域食堂」に集まるのか?

地域食堂やコミュニティレストランが注目されるようになって10年余りたちました。NHKの番組「ご近所の難問解決」にも出演した、釧路市の「地域食堂」の来店者を対象に、隠れたニーズを調査し論文にまとめました。

▶︎高齢者と地域とを結び付ける「縁側サービス」の効果-福祉系NPO法人によるコミュニティレストランを事例として, 日本建築学会計画系論文集 77(680),pp.2399-2406, 2012

積雪寒冷地の高齢者の居場所づくりに関する教科書ができました

積雪寒冷地の過疎地域に住む高齢者は冬季になると極端に外出頻度が低下する傾向にあります。札幌市立大学の看護学部の坂倉恵美子先生を筆頭にデザイン学部の教員も交えて他分野からこの問題の現状把握や解決策の研究をまとめました。

▶︎『積雪寒冷地における高齢者の居場所づくり(分担執筆),ワールドプランニング株式会社,  pp.271-290, 2014